東京でオリンピックをやるという事

7年後のオリンピック・パラリンピック開催決定を素直に喜べない。
喜べない、と言うよりも喜んではいけないという雰囲気で溢れている。テレビでいろんな人々がコメントをしているけれどどれもこれも嘘くさく聞こえてくるし、最後のプレゼンテーションを私も見ていたけど何かが蔑ろにされているんじゃないか、と思わざるを得なくて一種の違和感を感じたのはきっと私だけじゃないはずだ、って感じもするんですが。いや、本当は喜んでもいいことなんだろうけどさ…喜んでると白い目で見られるというか村八分にされそうな予感がしてならない。

喜べない理由としては、やはり東京と言う街が抱える様々な問題(インフラ整備とか建物とか)ももちろんあるんだけど、最も大きいのはやはり福島なんだろうなぁ、っていう事はよくわかります。放射能や汚染水問題はきっと末代まで続いていく課題になって行くことは明確だし、って言うか招致活動に関わる莫大な資金があるんならなぜそれを東北につぎ込まないんだ…って意見をよく見かけて、やっぱりみんなそう思うんだよねぇ、って感じは凄くしている。って言うか「オリンピックで喜んでる連中なんて馬鹿ばっかりだな!」って事もあるでしょ。あるあるある。
1964年の東京オリンピックは戦後から成長していく日本の象徴であったけれど、1964年当時と現在とでは違うのであって、某コラムで見たけれど「衰退していく日本の墓標」になりうることだって否定できない。オリンピック招致には、きっとその1964年の時のような夢を描いている人たちが集まっているんだろうけど、今を生きることで精一杯の世代にとっては夢を叶えるという幻想に呆れているという感じがしてるんじゃないかと思う。損益度外視で夢を描けるかどうか?って言ったら描けないし。

で、オリンピック開催で東京にどういう影響が出るかと言うと、例えば電車や道路(特に首都高あたりは)が選手やスタッフの移動を最優先させるために車線規制などをされてその分渋滞が発生しやすくなる可能性があるとか、都内をはじめ首都圏にあるホテルは片っ端から観戦旅行での予約でいっぱいになるとか、新たに施設が建設される晴海あたりのエリアの海の環境が汚染される可能性があるとか、って言うか開催期間に入っても普通に仕事してるんじゃないかとか…まぁ数え上げればきりがないのですが、それが全て解決するとは思えない。これからの7年間、世界中からこの国にあらゆる視線が飛んでくることになるんだけれど、果たしてその視線に適う大会になるかどうか?それが問題になってくる。
って言うか、招致活動になんで大々的にネガティブキャンペーンやらないんだろうか、って思っていたのですが、でも開催する事が決まったからには世界中から称賛される大会になってほしいと願うのであります。ちなみに私は7年後にはアラフォーです。