Bank Band「沿志奏逢」

かなり遅い感じがするんですが…レビュー書きます。ハイ。
……なんか、タイトルを変換するのが凄くめんどくさい、トゥーリアルな当て字だなぁ。んなことはどうでもいいのです。私は最初「志に沿い、出逢いを奏でる」って漢文風にレ点を加えてこのタイトルを解釈したんですが、こんな感じで良かったみたい。もちろん「相思相愛」って意味も含んでるっぽいけど(CDに収められてたライナー参照)。
このアルバムに収録されてるミスチルのセルフカバー以外ほとんどの曲は知りませんでした。岡村ちゃんの「カルアミルク」はタイトルだけ知ってたけど。しかし、原曲に関する知識はこの際知らない方が純粋に楽しめるんじゃないか?と思うんですね。だからこのアルバムに収められてるカバー曲の原曲は極力聴かないようにしようかなぁ…って言うか、原曲を聴いてみたいって意識しない限り普通に暮らしてたら聴かないんだろうなぁ。「クラシックにカバーなんて概念は無い」ってラジオでどなたかが喋ってた記憶があるんですが、シンガーソングライターもほとんどは音楽を始めたときはきっと誰かのコピーとかから始めた人って結構多いでしょうから。それと、カバー曲からミュージシャンの音楽のルーツを知る事も出来る。そして、カバー曲ってカバーをするミュージシャンの技量とかも試される機会なんじゃないでしょうか。つまりカバーは難しい、そう思うんだわ。
そして、このアルバムでは特に櫻井和寿のシンガーとしての魅力を再認識できます。時に冷たかったり、時に恐かったり、時に悲しい気持ちになったり、そして時に優しかったり、癒されたり。曲によって表情が変化する、そして感情とかまで見えてくるような。その声の魅力がアレだ、小林武史先生をはじめ、バックを固める凄腕ミュージシャンの方々の素晴らしい演奏によって引き出されてる………そんな感じぃ〜!?
…じゃあ、全曲感想レビューいってみようか。

1.僕たちの将来

中島みゆきさんのカバーですか。1月に行われたこのアルバムの含まれたイベントの1曲目もこの曲だったですが、ファミレスでの男女の話から遠い世界の戦争の話で「僕たちの将来はどうなっていくのだろうか」「よくなっていくんだろうか」と言った問題提起になってる。とてもヘビーな歌だというイメージでなんかもうどよーんとして暗い気分になっちゃったじゃないのよ、どうしてくれるんですか、って気分ですよ。

2.カルアミルク

先日、ラジオで岡村ちゃんが歌う原曲を聴いたですが、原曲よりもさらに丸裸って感じですが変態っぷりでは岡村ちゃんの方が上なんだろうなって思うんですよね。先日学校の図書館で「AERA」読んでたら岡村ちゃんが出てたんですが、やっぱ濃さが違うんですよね〜って思った。もちろん、こちらの歌も素晴らしいですが。しかし、このカバーを通じて岡村ちゃんのソングライティングの技量の素晴らしさを実感しました。

3.トーキョー シティー ヒエラルキー

ド頭の2曲に比べると、この曲ではいままであまり感じられなかった、何か光みたいなのんを感じるわけです。そんな事を思ったのは私だけかもしれない。眺めがいいというか、私のイメージ的に首都高なんですが。なんせ自分は東京に行く時は中央道から首都高に入ってく機会が多いんで。櫻井様はよくHEATWAVEさんをフェイバリットなミュージシャンに挙げられてたりするわけですが、特にボーカルの山口洋さんをリスペクトされてるようですが、ロックと楽曲の中のRealityみたいなのんに共鳴するところがあるんだろうなぁ…って思ったんですね。以下のオフィシャルサイトでこの原曲を試聴してきたんですが、やっぱり印象が変わって聴こえました。
http://www.five-d.co.jp/heatwave/

4.突然の贈りもの

大貫妙子さんのカバーですね。シンガーソングライターって言っても女性の方が作ってる局って言うと、また違う印象があるんですよ。言葉遣いとかかなぁ…これをウォークマンとかいったヘッドフォンで聴くとビックリします。ため息まで漏れてくるような、耳元で囁かれてる感じぃ〜(はぁと)がします。腰がとろけると思ったよ、マジで。

5.限りない欲望

今度出る井上陽水さんトリビュートにも収録されるっぽいですが、死ぬほどカッコいいです。死ぬほどカッコいいっす。ってなんかもうそれだけッス。人間の尽きない欲望とか、小さな頃に抱いた小さな欲望から人生の終わりに至るまで…って歌詞はよく聴いてみると深いです。この曲だけでも聴く価値はあると思うので、陽水さんトリビュート買った方がいいぞ。

6.マイ ホームタウン

浜省ですね。櫻井様は浜省に最も影響を受けたそうですが、やっぱ浜省なんだ、と。アルバム全体に言えるわけですがこの曲も含め、音楽的なルーツと言うのがよくわかる。やっぱ日本語のシンガーソングライターからの影響を受けてきたんだなと言うのを大変感じます。間奏に入ってくる山本拓夫さんのサックスも印象的っすね。

7.糸

1曲目と同じ中島みゆきさんのカバーなわけですが、先ほどとは違い、ぬくもりを感じます。弦楽器が入ってたりするのでそうさせるかもしれませんが、歌詞とかも含めてぬくもりなんかなぁ…って思う。この歌で歌われてる「あなた」と「私」を糸に喩えて、その糸がまた誰かとつながってゆくみたいな事が、何かつながってるんじゃないかなぁ〜と。ミュージックビデオもあって何度も見たですが、そのビデオもとても良いです。

8.HERO

ミスチルさんのセルフカバーです。これに関してはもう、原曲をしょっちゅう聴いていたですが、これまた違った魅力を覚えました。イントロの最初3秒を聴いただけでは良くわからんかったもんなぁ。そしてアンプラグド寄りな編曲だからでしょうか、楽曲自体が丸裸になってるんですね。歌もそんな感じ。

9.幸福のカノン

さねよしいさ子さんの曲ですが、単調なメロディーに単調な言葉が言葉遊びのようにのっかってって、やがて『愛する』と言った単語へとつながっていくんですよ!歌ってるの聴いてるとなんか楽しそうでいいなぁ。

10.優しい歌

この曲を歌った時の様子を映したビデオを見たんですが、櫻井氏の歌及びギター&小林武史先生の鍵盤(キーボードとか)のみの非常にシンプルなアレンジなんですよ。最初聴いた時は軽く衝撃を覚えまして、なんで衝撃的だったかっつーとアコースティックなブルースに聴こえたんです。ミスチルさんの原曲からしたら全然違う曲になってたわけですよ。しかし、これもまた楽曲自体が丸裸にされたような。

11.歓喜の歌

ベートーベンの第九ですね。第九に遠藤賢司(以下エンケン)さんが詞をつけたんですね。「エンケンが歌った他人の楽曲」ですが、もうすぐ第九の季節ですね。単純ですが、近づいてくる冬の匂いすら感じました。
http://enken.com/kojo.html


以上です。特に好きなのはM-2、M-3、M-5、M-7ですが、シークレットトラックの浜省の「僕と彼女と週末に」もとても好きです。間奏のポエトリーリーディングっつーかSpoken wordsが好きです。こういうポエトリーリーディングが入ってくる曲は好きなんです。シークレットトラックに関しては2パターンあるんで、詳しい感想はやめときます。
で、文中では「櫻井様」とか書いておりますが、別に激しいリスペクトなんかじゃなくて。なんとなく響きが面白いなぁ〜って思ってるだけで。苗字でなんかよりも、呼び捨てするんだったらフルネームで呼び捨てする方がいいんですよ。