現代葬式事情

祖母が亡くなってから一週間が経ち、本当にあっという間だったなぁ、なんて思っております。葬式があったのが随分遠い昔の話になっているような感じです。平静さはすっかり取り戻しているんですが、一方で祖母を取り巻く状況があまりわかってなかった方からはちょっと無駄な気遣いを受けたりしていて、いやこっちは全然問題ないんだけど…なんて事を言ったら「なんて冷たい態度をとるんだ」なんて思われてるかもしれないなぁ、とも思ったりしています。それにしても、最近のお葬式をめぐる事情が劇的に変化している事を改めて実感する出来事が多々ありました。今日はその昨今のお葬式に関する話をいろいろと述べていきたいと思います。

葬儀所ほぼ初体験

今回はいわゆる葬儀所と言われるセレモニーホールで通夜と葬儀・告別式を行ったのですが、あのような場所での葬式に出るのはほとんど初めてでした。いや、会社に勤めていた時は社員の方の親族が亡くなられた時に通夜に行ったことはあったのですが。でも、10年以上前にじいさんが亡くなった時は、家を新築したばかりだったこともあって自宅で通夜と葬儀を執り行い、確か近くの寺で告別式をあげてそのあとに納骨したんですよね…じいさんが亡くなった時は本当にショックでした。なんたって亡くなる2日前まで庭木の手入れをゴニョゴニョやってたしその日の夜は晩酌もしてたのが、その翌朝に腰痛を訴えて病院に行ったら動脈瘤が出来てて翌朝には…って感じだったので、母が号泣していたのを今も覚えてる。って言うかじいさんは戦後シベリアに数年間抑留されていたこともあって滅多な事では体調不良を訴えない人だったので(マジ)、それだけの人が体調不良を訴えていたって事だもんなぁ…なんて今も考えてみるとうっすら涙が浮かんできます。
話が逸れましたが、でも10年以上経過すると自宅葬なんてのはすっかり主流じゃなくなっているんですね。遺書とかに「自宅で最期を迎えたい」って言う旨を書いておかない限りは今はホールなんだろうなぁ…だけど、ああいう場所の方がやっぱりやりやすいかなぁ、なんて事も思いました。通夜から葬儀・告別式から初七日の食事までを一か所の会場で行える事はもちろんなのですが、交通の便も悪くはないし駐車場も充実してるし…と言った利便性もあるし、式場はほとんどが椅子なので腰とか膝が悪い方でも安心して長時間過ごせるし、女性の席にはひざ掛けもスタンバイされているし。あとはスタッフの方がいるので、旧来のお葬式でありがちな近所の人が手伝いに来てくれるけど、家族はそこにも気を回さなきゃならないという精神的な負担も軽減された、って感じがありました。

遺影が

遺影も最近は凄いことになってた。じいさんの時も昔撮影した写真の中からいい表情で写っている写真をチョイスして→背景を加工して服装も喪服っぽくして遺影にする、って事をやっていたのですが、その喪服っぽい服装がすごいことになっていたというか…遺影にする写真はまだ元気だったころの写真をすでに何枚かチョイスしていて、その中から選んだ1枚でまぁまぁうっすらいい顔している感じのマジでスナップ写真だったのがそれ相応に美しくなっていました。最初に葬式を担当される方と打ち合わせをしていた中で、どんな感じの遺影にするかのサンプルを見ていて「うわぁこれで合成するのか…」って思って出来上がった遺影は物凄く絶妙な感じで写っておりました。服装を和服にしただけじゃなく、髪の毛も若干盛っておりました。母も「おばあちゃんも良かったねぇ」と満足しておりました。

棺桶とか骨壺とかがさぁ…

棺と言ったら昔は木目調の棺桶と言うイメージがすっかりあったのですが、このたびの棺桶は淡いパステルブルーの花柄のプリントが施されていました。特に何も要望はしていなかったのですが、ああいうのが今のメインなのかなぁなんて思ったり思わなかったり、かと言って担当の方にそんな話をしてみようかなんて特段思わなかったんだけど気になっていた。
そういえば、通夜の前の納棺の時に、布団に横たわっていた祖母を、息子(父)や娘の夫や大人になった孫たちに抱えられて棺に入った瞬間にちょっと涙腺がもろくなってた。そうしていたら棺の中にいろいろなものを納めていく過程の中で「孫代表の方」と言われ「えっ私!?」と思いながらも私は棺の中に木でできた杖を入れてあげて…って言うところでまた涙腺がもろくなっていた。そして翌朝の出棺の時も涙腺が弱くなっていたのですが、火葬場に着いていよいよお別れって言う直前になった時が一番涙腺がもろくなっていたなぁ…さすがにその時は泣いてる暇なんてないって言ってた母も号泣していて、父の妹である叔母と一緒にハンカチで涙を拭いてたよなんて話をしておりました。
骨壺のデザインも飛躍的に向上しておりました。ものすごくオーソドックスな陶器なんだけど、花の絵が描かれていました。そう言えば陶芸教室で骨壺を作るって言うのもあるって話を聞きましたが、ああやってマイ骨壺を作るって言うのも一つの終活って事なんだなぁ、って言うのを感じております。

で、祖母は10年以上家を離れて施設で過ごしていたのを考慮して、四十九日まで家で過ごしております。新聞に黒枠の広告(葬式の日程とか会場が書いてあるアレ)を載せたこともあったのか、葬儀が終わった翌日から今日までの毎日のように、仏壇・墓石・返礼ギフトと言ったありとあらゆる所からのDMが届いてます。それと、毎日1組ぐらい営業の方が直接家にやって来るわけで、人によっては菓子折りとか持参で現れるので結構大変です。あーでも、某デパートの外商の方が来られた時はとてもいい香りのお線香を持参されておりました。なんなんだろう、これって一種のビジネスチャンスなんですかね…返礼ギフトとかはカタログも併せてDMが来るので大型のカタログがだいぶ溜まってるんだけど、中身を見てるとパッとしないというか決められないというか…