得たものと失ったもの

http://news24.jp/nnn/news8882186.html

昭和町のショッピングセンター「イオンモール甲府昭和」が店舗面積の拡大を計画していることが関係者への取材で分かった。関係者によるとイオンモールは店舗南側にある駐車場を再整備し、新たな商業施設の建設を計画しているという。すでに県や昭和町、地元の地権者らに「店舗を拡大したい」との考えを伝えていて、拡大する店舗面積は約2万平方メートルとみられる。計画が実現すれば県内では岡島百貨店を抜いて最大の商業施設となる。計画についてイオンモールは「コメントできない」としている。去年3月にオープンしたイオンモール甲府昭和は、当初4万8000平方メートルの店舗面積を目指したが、横内知事から規模縮小を要請され受け入れた経緯がある。県はまだ届け出はないとした上で「これまでの経緯から計画には賛成できない」としている。

怒られるかもしれないけれど、たぶん山梨はイオングループが嫌いなんだと思う。でも、便利さには逆らえないし、新し物好きで飽きっぽい。
人口100万人未満の小さな県ではあるものの、今までは地元のスーパーやデパートが栄えていたわけです。それはだいたい中心市街地の大きなデパートだったりとかで、80年代までは中心市街地が栄えていました。だけど特にバブル以降、郊外型のSCができたことで人の流れがいっぺんに郊外に向いてしまった。特に山梨は車社会なので、やっぱり駐車場が広かったりとか駐車場まで行く道がスムーズだったりする方がいいって話になって、どんどん便利な方へと向かっていくんですよね。さらには、東京にも2〜3時間あれば行けるのでデパートと言ったら都心へ買い物に行くって言う人も少なくはないですし(うちもそうだし)。ついでに言うと、静岡にも新しいショッピングスポットがあるので静岡が穴場なんて意見もあるんじゃなかろうか。
去年イオンモールが出来たとき、TOHOシネマズが入った事もあって甲府市街地にあった映画館がいくつか閉館になったり、閉館の話が出たけど保存の声が上がって閉館は免れたって話もあったり、エクラン(甲府駅ビル)に入っていたテナントの一部がイオンモールに移転したので一時期エクランのテナントがスッカスカになってしまっていて、イオンモール開業前にエクランもリニューアルしたんだけどでも今は閑古鳥が鳴いているような状態で…でも、郊外に巨大ショッピングモールが出来て中心市街地がスッカラカンになってしまうって言う状態は山梨に限らず各地でも起こっているわけですよね。その土地らしさとか情緒が失われてしまう。便利さはいいんだけどそれによって今までその土地に土着していた何かを奪ってしまう、そう言うことが起こりがちなんですがね…
でもって、郊外には若い世代が集まるんだけどいずれは歳を取り、郊外に住んでいることが不便になる時がやって来ます。車の運転が出来なくなって遠出しづらくなったんだけど、家の周りには大きなショッピングモールしかないし歩くと時間がかかるし…って言う年代になると、郊外よりも都市部に移りたくなるって事があるんですよ。そうなると今度は都市部で小規模ながら生活必需品が揃っているスーパーが必要になる。コンビニやデパートでは買えないアイテムがスーパーにも揃っていて、歩いて数分のところに点々と、中心部の商店街に目立つ空き店舗にスーパーが入るとそこで新しい消費が出てくるわけです。もともと建っていた空き店舗にスーパーが入るので出店コストはある程度抑えられます。駐車場とかはないけど歩きとか自転車で行ける所だったりする。だとすると、これからは「郊外にある大きなショッピングモール」と「都心部にある小規模なスーパー」が共存共栄していくって言う道筋の方がいいんじゃないかなぁ…なんて思うんですけどねぇ。