あくまでも私見・AKB48論2012・前篇〜CDは何のためにある?〜

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012060600930&rel=my
いやぁ、選抜総選挙が終わりましたね。予想通りの結果だったのかなぁ、という感じでしょうか。
しかし私の場合、ついったーを見てもフォロワーの9割はこの総選挙に関して目くじらを立てている、いやむしろ吐き気を覚えるほど嫌悪感を感じている方ばかりです。こんな話題よりももっと大事なニュースがあるだろう、なんでNHKも取り上げるんだって言う感じがあるんですよね。ごもっともです。よくわかる。もっと伝えるべき話題があるはずだ。確かにその通りです。こんな話題で盛り上がるなんて、全く平和ボケしてるよなぁ…だいたい好きなアイドルに対して順位が付けられてしまうという事、その上位に上がる人しかスポットライトが当たらないという事、いろんな意味でかなり極限にまで追い込まれているという事、みんな当選していいコメントしてるけど、腹の中では絶対そんなこと思ってないだろ?って思わざるを得ない人間模様…様々な感情や思惑が形になる場所でもあるし、その一方でやっぱりこの1年間の努力がどのようにファンに評価されたかの指標でもあるわけですよ。そしてその一方、上位に入るメンバーにのしかかる強烈なプレッシャー、初めて経験する選抜総選挙と言う特殊な舞台に臨む新メンバー、昨年は成績不振に終わった大会で上位を目指そうとするメンバー…どっちにしろ極限の精神状態に追い込まれていることだってありえる、過酷な舞台なわけですよね…んなわけない?どうかなぁ。

CDはあくまでもツールなのか

先ほど、「吐き気を覚えるほどの嫌悪感を感じる」方が多いと述べたわけですが、なぜそう思うのかの理由はやっぱりCDが大量に購入されてもすぐに棄てられているという事実を共有しているからですよね。最短でもフラゲした翌日にはゴミ箱行きで、初動セールスがミリオンを突破したと大々的に取り上げられてもそんなのは所詮デタラメだと叫ぶわけですが…だけど、好きなアイドルをもっと世に知らしめたいからというファン心理から新譜CDを一人でいっぱい購入するという傾向はもっと昔からあったんじゃないかと思います。ファンと言うよりも親衛隊って言った時代ね。1枚は聴く用に、もう1枚は保存用に、もう1枚は…という事で、結局は大量の余剰在庫を抱えてしまう。昔だったら余剰在庫を抱えても捨てられなかったんじゃないか。でも今は手軽に売れてしまう時代、リサイクルショップでは同時作品の2枚以上の買い取りは不可なので結局は棄てられてしまう。
AKB48総選挙前にリユースショップが調査 大量購入された特典付きCDの行方は!? | ザ・世論~日本人の気持ち~ | ダイヤモンド・オンライン
その棄てられたCDを見てファンではない市民は「資源の無駄遣いだ!」と怒るわけです。その様子をネットに公開できる時代になって、あっという間に流布されるわけです。ネットでは喜びよりも怒りの方が共有されやすいわけで、その怒りはすぐに拡散される。しかし残念なことに、今は初回特典やら何かつけても爆発的なヒットには至らないCD不況。旧態依然とした音楽産業においては、CDが売れたらナンボって言うのは変わらないんですよね…「こんな事してCDが売れるなんてどうかしてる」と言うよりは「こうでもしないとCDが売れない」と言う現状が目の当たりにされているんです。これはやっぱり、音楽産業が先細りしている現実なんだよな…かと言って、この現状をに対する打開策がこれと言って思い浮かばない。これは残念というのかそうならざるを得ないのか。CDと言うパッケージメディア固執しすぎているって考えもあるかもしれないけど、形あるものだからこその魅力もあるわけですよ。
だけど、CDが棄てられるなんて現状はアレだ、お店やコンビニで賞味期限を過ぎても売れなかった食べ物が結局は廃棄されてしまう状況に似ていないだろうか。ここは売れたか売れなかったかの違いではあるがたくさんの人の手が加えられてパッケージ化されたのに…というプロセスでは一致しているのではないか。食べ物とCDでの違いは食べ物では棄てられてもどうにかなるのだが、CDはそうはいかなかったりするのだ。だからCDについては棄てられているところを見て嫌気を覚えるのだ。いや、常軌を逸しているとも思える。それは何故か。音楽は本来、棄てられるなんてことは無かったのだ。どんな捨て曲でも愛おしいと感じられたからであるが、今はどうだろうか。ここ10年以上はジャンルが多様化して、リスナーの好みもますます多様化している一方、リスナーは音楽にお金を投じる機会が減っていったのである。誰もの心を掴み、共感を得るようなヒット曲がない今、やっぱりこういった握手券や選挙権を付けなければヒットしない時代なのだ。産業としての音楽が衰退している中、CDがアイドルの人気を支えるための「ツール」になってしまったのだ。もし1,000円ぐらいのお金があったら何をやろう?と言ったらさまざまな選択肢がある。3,000円ぐらいのお金があったらユニクロに行って服が1枚ぐらい買えるんだし。それだけCDに対する価値が下がってしまったのか…そのCDをあくまでもツールとして割り切るのかどうか、なんだよね。CDがつまらんなんてこともないんだけどね。

という事で後編は、選抜総選挙は資本主義社会の縮図である」論をぶちまけたいと思います。こうご期待(コラ)