Mr.Children tour 2011"SENSE"完全版(前編)


今回のツアーは、3月6日の横浜アリーナと、5月8日のさいたまスーパーアリーナ、そして5月15日に振替公演となって当たっちゃった大阪ドームの計3回。横浜アリーナから5日後に震災が発生して、大阪・和歌山公演は大阪ドームに振替になり、仙台・盛岡で予定されていた公演は中止になりました。

私が「SENSE」に抱いていたイメージはとにかく、以前ブログにも書いた「深海を越えた」アルバムだったと言う事。とにかく異質であり、沈黙の内面に潜む尋常じゃないポテンシャルの高さと、音楽に対する深い情熱。だけど受け入れたくないっていう思いが強かった。長い間の心身の鍛錬と自分に向き合うと言った、ストイックな作品であると言う印象がとにかく強かった。他のアルバムと一緒に並べて聴く事なんてできまい、長い沈黙の果てに姿を現すまで俺は認めないぞ〜って事を思ってライブに臨んだ。

↑の文は、3月の横浜アリーナの時に書いたライブレポのリード文。震災前のライブではメンバー+コバタケ氏の5人と言う最小単位でありつつハイクオリティなパフォーマンスで圧倒されるライブでした。だけど、震災が発生してからは聴く側にとっても曲に対する受け止め方にも変化が生まれた。そして「かぞえうた」と言う曲が生まれました。「かぞえうた」については後程書きますが、震災前にライブに行けてよかったって言う思いもあったけど、震災後もライブを続けてくれてありがとう、って言う気持ちが出てきたよ。あ、この気持ちは大阪ドームの時にアンケートに書いておこうかなぁ。

横浜アリーナではアリーナ(スタンド席)の最も左側の前から10列目で桜井さんの表情まで確認できるという良席でした。今まで観てきたライブの中でもベスト3に入るぐらいの良席で、喉が痛かったのにキャーキャー言っていましたが、さいたまでは400レベル(!)左側の前から4列目。あまりの高さに、高所恐怖症ではないけど怖さを感じました。ただでさえ巨大なたまアリの天井近辺まで観客がぎっしり埋まっていて、隣に座った方が「こんなに埋まるなんて凄いですね…今まで200レベルまでしか人が入ってるのを見たことないから」って驚いておられました。さいたまは18,000人*1もの人々が集まりました。
で、大阪ドームは城ホール(12,000人)+和歌山(約8,000人)の振替公演ではあったものの、キャパシティがアリーナとは大幅に違うのでどうだろう?って思ったらさ、ステージ両翼に長い花道が広がっており、これは桜井さんがステージを猛ダッシュする様子が容易に想像できます。

ステージは、久々に本格的に建てこまれたステージ。オペラ座のようなセットだけど、石造りの城壁のようにも見える。開演前はステージ全体をグレーの緞帳が覆い、クラシック音楽が流れている。下ろされた幕の内側で何かがうごめいているような、何か得体の知れない世界が広がっているような、それは私が「SENSE」を初めて聴いた時のファーストインプレッションに似ていた。アルバムのジャケットの荒涼とした海の中で、様々な生命がうごめいてる様子にも見える。で、さいたま開演前の注意事項では藤田さんがステージに上がっていろいろと説明をしていました。横浜ではこんな事なかったなぁ、別の日にはケン・マスイが出ていたとか。しかし、あまりにも急すぎて気付かなかった。そして、しばらく経つとステージが暗くなったー!!

ステージが暗くなると同時にステージを覆っていた緞帳が開き、中からはさらにステージ全体を覆う巨大なスクリーンが登場し、シュールレアリズムの絵画に出てくる世界が映し出されている。その世界の片隅で、石仮面を付けた男の子(←は後にもまた登場します)がひたすらルービックキューブを回し続けている。そのうち、ルービックキューブが光を放った後に再び真っ暗になったらその光がパルスのように動き、あっこれはアルバムのティザー映像と同じだと気付く。しばらくしてスクリーンの向こうにメンバーの影が見えた瞬間大歓声が起き、音が鳴らされ照明が変わって歌が始まった瞬間その大歓声はさらに増し、ステージを覆っていたスクリーンが上がった瞬間、まるで地響きのような大歓声が!!

1曲目は「NOT FOUND」でした。横浜の時はもう、あまりに近すぎて開いた口がふさがらなかった。もう何がなんだかわからなくて、幕が上がる瞬間までの感情が一瞬にして吹き飛んでしまった。そんな状態で早くも桜井さんはハンドマイクで「みんな元気!?体温まってる?」と序盤から煽る煽る。でもって2曲目は「HOWL」で♪ホォォォォォ〜〜〜〜♪と言った瞬間うわーっと盛り上がってる!まさかこんなに盛り上がる曲があったとは思っていなかったから、なかなかこのテンションについていけていない。とは言いつつも…次はなんと!「名もなき詩」!…ここでスイッチが入って血涌き肉踊る興奮状態に突入。横の人も関係なく思いっきり振り振りして当然のごとく小声ですがフルコーラス歌いました。そんなハイテンションの中、次は「I'm talking about Lovin'」です。この曲でもあんまり盛り上がれないなぁ、と思いつつのっています。歌詞にはサッカー用語が登場したりするので、ステージで桜井さんは歌いながらサッカー的な仕草をしています。だけどやっぱりよく動くなぁ、さぁ次のイントロはもしや、もしやアレは……「エソラ」キタ――(*´▽`)―――!!もうここでハイライトです。ジャンプしまくりです。オープニングから攻めのセットリストじゃないの!?って感じで。

そしてここでMCですが、本編でのMCはここだけ。横浜アリーナでは「ずっとテレビにもラジオにも雑誌にも出ていなくて、何やってるんだ?ってところだったけど、こんな感じです(笑)」とか、さいたまではライブ映像等の収録があったんだけど「既に何回か歌詞を間違えてます!その時はみんなが一緒に歌っている風にするので油断するなよ!」とか、そして大阪では3月に開催予定だった城ホール&和歌山の振替公演だった事もあり「この日が来るのをずーっと待ってた!いろんな事があったし今も起こっているけど」。そう言えば毎回のように「最高の夜にするから!」って。もう何度も聞いたせりふだけどさ、ライブってこんなに何度も足しげく通っているファンは一部であって、何度見ても最高!って思わせる感じか。

ここからはもう怒涛の展開。演奏ももちろんですが映像演出も一瞬たりとも目が離せない!のですが…前編はここまで。ドトウノコウヘンニギタイ!

*1:5月10日は18,500人