久しぶり、元気だった?(本日の衝動買い)

ちひろBOX

ちひろBOX

某本屋さんにて偶然遭遇しました。何度か立ち読み返したけどやっぱり購入。
物心ついた頃から、家にはいわさきちひろの絵が飾ってありました。それは本の中にも収められている少女の絵ですが、両親が結婚したばかりの頃に、子供が産まれたら絵を飾ろうと言って絵を3枚選んだそうです。母が選んだのは女の子が産まれたら飾る為の女の子の絵、父は男の子が生まれた時に飾る子供の絵、それと2人で選んだ帽子をかぶった少女の絵。どれもこの本の中に収められていました。この本には主な作品とその作品に寄せた著名人から一般人まで様々な世代の人々からのメッセージが添えられています。あと美術館の案内とか作品年譜とか…分厚いけど見ごたえがあります。
印象に残ったのは絶筆となったのが赤ちゃんの絵で、見ていて思わず息を飲んでしまいました。それが絶筆とは思えないくらい暖かい。赤ちゃんによくある柔らかくてプニョプニョした腕にリアリティを感じるのと、赤ちゃんの表情と腕の動きを描いたシンプルで優しい絵。これが死を間際にして描かれたと言うのが想像できない。生と死が隣り合わせにあることを感じる。
いわさきちひろの絵は、輪郭線を捉えていなくても子供の表情がよくわかる。表情は似たような表情に見えるかもしれないけど、どれもやっぱり違った表情を見せている。動きが生き生きしていて、柔らかい感触がしていて肌触りがよくて暖かい。子供の絵にこだわってたんだろうなぁ…って思う。子供たちの絵を飾れば、どの家の雰囲気も変わるかもしれないな…って思うんですよ。もし自分が結婚したら、子供の為に絵を買って家に飾ろう、と思いました。